Hani Shihadaさん アーティスト

出身:パレスチナ
NY暦:19年
Side Walk アーティスト
http://www.HaniSidewalkArt.com

レポーター笠原より:
 マンハッタンはイーストビレッジの最も人通りの多い歩道で、アスファルトに絵を描いている人を見つけました。それだけを聞くとただのいたずら書きなのかと思ってしまうかもしれませんが、 彼の絵はその域を越えていました。彼はチョークで、雑誌に乗っていたビートルズの写真を見ながら、4日間もかけて縦、約1メートル50センチ、横、約2メートルの大作を完成させていました。その作品のあまりのすばらしさに、 道行く人は足を止めずにはいられない様子でした。 Hani Shihada さんは、歩道に絵を描く“Side Walk Art”を始めて23年になるパレスチナ難民です。度重なる内戦で自国を追われ、 世界の色々な国を渡りNYにたどり着いたのでした。





23年間以上も路上に絵を描き続けるHaniさん
何がきっかけで歩道に絵を画くようになったのですか?
23年前にイタリアで美術学校に行っているときに、色々と生活に行き詰まっていた時があったんです 。そんなときに偶然歩道に絵を画いているイタリア人の女性を見つけたのですが、彼女がとても幸せそうに微笑みながら絵を画いていたんです。 その姿がとても印象的で、彼女があそこまで楽しんで絵を画いているのなら自分もやって見ようかなと思ったんです。結局それ以来ずっとこうやって絵を画いているんです。

NYにはもうどれくらい暮らしているのですか?
やっぱりNYが1番好きだね!

18年です。イタリアからフランスに移り、最終的にNYにたどり着きました。色々な国に行ったけれど、やっぱり僕はNYが一番好きです。 色々な人がいて面白いです。今までずっとブルックリンで暮らしてきたけれど、家賃がだんだん上がってきたこともあって、8ヶ月前にNY州郊外に引っ越したんです。 だから今では絵を画くために片道2時間かけてマンハッタンまで通ってますが、やっぱりマンハッタン、それもダウンタウンに絵を画くのが僕は好きなんです。


チョークだけで書いたとは思えない!
いつもどうやって絵の題材を決めるのですか?
雑誌とか、アートの本から選ぶ事が多いですね。 なるべく誰でも知っているような人を選ぶようにします。今回はビートルズだったけれど、ジミー・ヘンドリックスとか、レイ・チャールズとかも画きました。 みんなアートは好きでも美術館となると堅苦しくてなかなか足を運ばないでしょ。 だから、美術館にあるような堅苦しい絵ではなくて、大人から子供まで、人種、性別を問わず誰にでも楽しんで貰えるような題材を選ぶようにしているんです。

歩道に絵を画いていて、何か困ったことなどはありましたか? 


Haniさんはどんな質問にも丁寧に答えてくれる。

困ったことではないのですが、4日前にこの絵を画き始めたとき、警察官にチケットを切られました。道をふさいで通行人の邪魔をしているかららしいです。納得は出来ないけれど、仕方ないですよね。


ビートルズ完成間近
NYで歩道に絵を画く以外に何か活動はしていますか?
毎年マイアミで“Side Walk Art Festival” というのがあるのですが、そこから航空券付で毎年招待されています。 全くお金にはならないんだけれど、参加していて楽しいからいつも楽しみにしています。その他には、個人で仕事の依頼を受けることもあります。

もしも、Side Walk Art をやっていなかったら、ほかに何をやっていたと思いますか?
ここでしか手に入らない商品もあります。
もしこれをやっていなかったら、たぶん気がおかしくなって死んでいたと思います。 この世の中、戦争だとか、殺人だとか殺伐としたことばかりだし、ストレスもたまるでしょ。 でもこの絵を画いているときはものすごく集中して、色々といやなことも忘れられるんです。


出来上がった後は防水スプレー付けて出来上がり!
NYで歩道に絵を画く以外に何か活動はしていますか?
毎年マイアミで“Side Walk Art Festival” というのがあるのですが、そこから航空券付で毎年招待されています。 全くお金にはならないんだけれど、参加していて楽しいからいつも楽しみにしています。その他には、個人で仕事の依頼を受けることもあります。

取材を終えて
日本のテレビでも何度か紹介された事があるというHani さん。 決して、高い値段で売られるような絵を画いているのではないけれど、道行く人々からは老若男女、人種を問わず大絶賛されていました。 “This is my life!”と胸を張って語ってくれたHani さんですが、取材をさせていただいた日はこの絵を完成させる最終日で、 昼の2時から夜の10時まで地面に向かって絵を画いていました。“疲れていないのですか?”という私の質問に、“もうくたくたです。 でも、どうしても今日中にこれを仕上げて、来週からは違う場所のSide Walkに絵を画きたいんです。まだ何を画くかは決まっていないけれど、 場所はもう決まっています。だから急がないといけないんです。”と、常に自分自身に次の目標を掲げながら前向きな様子で答えてくださいました。 取材の最中には、Haniさんは自分のペースで勢力的に活動しながら、それでいてとても腰の低い人という印象を受けました。 Haniさんのホームページをご覧になりたい方はwww.HaniSidewalkArt.comまでどうぞ。

      取材 by 笠原