モダンダンサー 那須久美子さん

NY滞在暦:8年

演劇の世界からダンスの世界へ華麗なる転身。
ダンスを勉強するために単身NYに来て、現在はモダンダンサーとして、またダンス講師として活躍中の那須久美子さんにインタビューをしました!
なんと、那須さんはThe New York Times(ニューヨークタイムス紙)にも2度名前が載ったことがあるほどの実力派!!
辛いことや苦しいことも乗り越えて、それでも大好きなダンスを踊り続けている那須さんの魅力をご紹介します!

<ダンススクール>
Martha Graham Dance School of Contemporary Dance
316 East 63rd Street, New York, NY 10021
TEL: (212)838-5886
WEB: marthagraham.org

<ダンス用品店>
Class In Dance Shop
152W 72nd Street #2C, New York, NY 10023
TEL: (212)579-2285
WEB: classindanceshop.com

<ジャイロトニックスタジオ>
Movement & Beyond
73 Spring Street Suite 206
New York, NY 10012
TEL: (646)613-8086
WEB: gyrotonic.com

5月12・13日にMartha Graham Dance Schoolでの公演に出演予定!!

インタビューの詳細はこちら

取材を終えて:
大好きなダンスを通していろんな人とふれあい、その中でNYの良さ、日本の良さを発見し、ご自身の生活に取り入れていらっしゃるとても素敵な方でした。
たくさんお話をさせていただきましたが、やはりダンスのお話をしているときが一番力強く輝いている目をしていらっしゃるような気がしました!一つの事をやり通すのは、例えどんなに好きなことであっても、簡単なようで実は難しいような気がします。そんな真っ直ぐな久美子さんとお話できて、とても光栄でした!!
(Mayuko Komatsu)




NYに来たきっかけは何ですか?

NYには1998年に、ダンス学校に通うために来ました。ダンスの本拠地、NYでいろんな経験が出来ると思いました。
実は、ダンスを始めたのはNYに来てからで、大学時代演劇をやっていたんです。そのときに取っていたムーブメントのクラスがすごくおもしろくて、先生にもっと勉強したいならNYにいったらどうか、と薦められたのがきっかけです。


那須さんのNYの一日を教えてください。
朝はジャイロトニックのスタジオのフトントデスクで働き、その後インストラクターとして教え、午後は大学で振り付けを教え、夕方からは自分のリハーサルです。ジャイロトニックとは木製で作られた機械を使ったエクササイズです。週末はバイトを一日してその後リハーサルです。バイトはアッパーウエストにあるダンス洋品店で働いています。

那須さんのやっているダンスについて教えて下さい。

モダンダンスにはいろいろな形があるのですが、一般的にはバレエよりももっと形を崩したフリーフォームな躍りで、大抵は裸足で踊ります。
私は学校で(Martha Graham School of Contemporary Dance)グラハムテクニックを学んだのですが、それはモダンダンスの第一人者として知られているマーサグラハム自身が踊りのために作り出した表現テクニックです。

学生の時は一日2クラス取っていました。グラハムテクニックはとても難しく1クラスだけで疲れてしまいます。

98年に学校に入学したのですが、マーサグラハムダンスカンパニーとマーサグラハムガ亡くなる前に決めた後継者との間での著作権問題と財政困難で、2000年に学校が閉鎖。
カンパニーが裁判で勝ち2001年に学校が再オープンして、私は2002年に戻り、2005年夏に無事卒業しました。

在学中は、マーサグラハムアンサンブル(学校の中で優れた男女6人づつで成るグループ)で3年間踊っていて、その間奨学金も貰っていました。アンサンブルのグループは毎年オーディションで決められるのですが、オーディションには学校内外から沢山の人が集まってきます。その中で、合格し、3年間そこで踊れたということは大きな自信にもつながりました。

NYにきて、苦しかったこと、つらかったこと、失敗談などを教えて下さい。

来た最初は友達の家に住んでいたのですが、やっぱり自分の家がない、帰るところがないというのはすごくストレスになりました。最初は何も知らなくて、それこそクイーンズって何?って言う状態でしたから、こっちに友達がいてほんとによかったなと思います。その後何回か引っ越ししたんですけど、家が決まらない、というのも思ったよりもつらかったです。
今まで持ったルームメイトは二人いて、偶然どちらも韓国人で、彼女達は料理をあんまりしなかったので、私が料理する時は気を使いました。でもルームメイトに関する大きいトラブルとかはなかったですね。

ダンスのことに関しては、どんなオーディションでも、採用されなかったり上手く出来ないとやっぱりすごく落ち込みます。落ち込んだ時にはいつも、『ダンスは自分のやりたいことだ』分かっていても『これでいいのかな?』と考えてしましいますね。他にもっとお金を稼げる道があるのに、ほんとにこの道でいいのかな?と。
それでも、自分の好きなことだから頑張れるんですけれどね。

オーデションはどれくらい頻繁に受けていますか?

ある時は3ヶ月に一回くらいかな。あんまり私は行かない方ですね。
着ていく服もオーディションによって違うんですが、通常モダンダンスは体の線がはっきり見えるユニタードというのを着るんですけど、一回モダンダンスをもっと崩したダンスのオーディションにいったときに、会場に着いたら、他のダンサーたちはダボッとした服をきていたのに、私だけこのユニタードを着ていって"やばい!"と思ったことがあります(笑)

オーディションでは200人のうちに3人しか選ばれなかったりと、とても競争率が高いので、自分を見てもらうようにするのが大変です。なるべく他の人を見ないように、自分のダンスをすればいいと思うのですが、やっぱりそれだけ人がいると他の人のダンスが目に入ってきてしまいますよね。それで自分と比べちゃったりもします。


NYのどんなところが好きですか?

NYは好きです。何か自分でやりたいと思ったら、それができるところがNYだと思います。マッサージ師になりたかっら資格を取れるし、自分でデザインしたジュエリーを芸術家として売る事も出来る。私もインストラクターの資格を取って今教えています。それだけいろんなことが起きている街です。
それと日本では、まず人の目を気にして自分の社会的位置も気にして生活して、縛られる感じが私はするのですが、NYは自分のやりたいことができて、自由な感じがします。ダンスの面でも日本はバレエが多くてモダンダンスは幅がすごく狭いんですよ。NYは競争率が高い分、それだけダンスの世界は広いですね。

NYには、いろんな人種の人がいるというのもすごくいいところですよね。学校でもいろんな国の友達が出来ました。日本にいたら絶対に会わなかっただろうとか、出会っても友達にならなかっただろうという人たちに出会えることも魅力のひとつです。
逆にNYのあまり好きではない面は、ものすごく自己中心的なところです。人のことを気にしなさすぎることですね。これはニューヨークに住んでいるアメリカ人ってことですが…。


今まで受けた大きなカルーチャーショックはなんですか?

電車で、周りの人を気にせずハンバーガーなどを普通に食べて、その後そのゴミをぽいって捨てるのを見たことです。そういうことを大人がやっているので、子供も真似して家族全員でやっていたりして・・・。

学校に関しては、アメリカ人の先生は生徒をすごく褒めるんですよね。日本では叱って生徒の実力を伸ばしますが、こっちは褒めて生徒の実力を伸ばすんですよね。でも私は、褒められるよりも、だめだって言われた方が、頑張れますね。やっぱり日本人なのかなって思います。こんなんでいいわけないじゃんって思っちゃうんですよね、褒められても。日本人はいい意味ですごく謙虚。逆にアメリカ人は自分を売るのがすごく上手ですよね。


今後の目標や夢を教えて下さい。
近い将来は、ダンスだけで生活できるようになりたいです。今はダンスをやりながら、バイトバイトの生活なので。ダンスは今後もNYでやっていきたいですね。それに加えて、ツアーでいろんなところに行けたらいいとは思います。アメリカツアーは何度かしたことはあるのですが国外にダンスをしに行きたいですね。
そして、ダンスで多くのお客さんに感動を与えたいです。何もしゃべらなくても自分の思っていることが伝えられるところが、モダンダンスに限らずダンスの魅力だと思います。よく踊るときにイメージを作れと言われるのですが、自分で物語を作って私生活で起こったこともダンスでそのまま出すようにしています。

これからNYに来たいと思っている人にアドバイスをお願いします。

やりたいこととか、見たいこととか、ちゃんと頭に入れて、目標を持ってきた方がいいです。
じゃないとただぼーっとしていても過ごせちゃうと思うから。

そしてこっちに来たら、とりあえず外に出て、いろんなことを観察してみて下さい!