写真家 大庭 みさこさん

NY滞在暦:2年
出身:日本

写真家の大庭みさこさん。日本で活躍され、現在は活動の拠点をNYに移して、頑張っていらっしゃいます。個展準備でお忙しい中、時間を割いていただき、お話が聞けました。

 

 

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取材を終えて:
大庭さんのこれまでの作品を見せていだだきつつ、人生に迷った時のアドバイス、 さらに、個人的に興味のある写真の話もたっぷり聞けました。今後もご活躍されることを願っています。皆さんも、大庭さんの写真から刺激をもらいましょう。
(Hiroko OKURA)




NYに来られたきっかけは?

今回は、アートの中心でもあるNYかパリに住みたいなと、神様に祈っていたら本当に縁があって、、という成り行きでした。
実は、初めてNYに住んだのは10年前で、その時はジャーナリズムの本場のアメリカはどういう感じかなと思って渡米しました。

元々、日本で大学卒業後は放送局でアナウンサーをしていて、そのときから国を超えて仕事をしたい、英語でもインタビューもしたいと思っていました。当時は放送局で仕事をしながら、同時に写真の勉強もしていました。


来てみてどうでした?

初めてNYに来る前は、とくかくコンクリート・ジャングルの冷たいイメージがあって、一生住むことはないだろうとまで思っていました。でも実際に住んでみると、すごく水があっていて、肩の力を抜いて生きられる街でしたね。
自分が自然体でいられて、楽ですよ。
NYは冷たいと言う人が多いけれど、実際いい人が多いですね。こっちが心を開いていけば、向こうもよく接してくれる。どこの街もいい所と悪い所がありますね。


写真を始められたきっかけは?

初めてカメラを持ったのは遅かったですよ。アメリカの大学院でジャーナリズムの勉強をしていた時に、写真の授業を受けてみたんです。そしたら、先生に才能があるから続けた方がいいと勧められて。単純なので、それでその気になって(笑)



今はどのように活動されているんですか?

ア−トとしての写真活動として、展覧会をしたり、興味をもってくださる個人顧客やコレクタ−の方に購入していただいたり、ギャラリ−やディ−ラ−を通して販売している他、ジャーナリズム的な写真や、雑誌などの写真も手がけます。

フリーランスなので、あまり制限して活動するつもりはないです。アメリカの雑誌も依頼があって、英語で書く事もありますね。今後も写真を中心に広げていきたい。


大庭さんにとって写真とは?

ちょっと大げさかもしれないけど、色々な意味で、写真がないと生きてこられなかったかも。写真で息をしているような感じかな?(笑)
アナウンサー時代からこれまで、方法や手段は違っていても、共通しているのは制作、そして伝えるという仕事。事実だけでなく、人の心に触れたいって思う。
写真を通して、違う視点を提供することで、人生は違う方向や見方もあるんだと、何かのヒントにしてもらえればうれしい。落ち込んだ時に、私の写真を見て、なんとなく勇気がわいてきたり…。エネルギー、元気、癒し、安らぎを与えたいなぁ。
放送だと、なかなか主観的なアプロ−チは厳しいけど、写真家としてなら個人的により深く働きかけることができるし、関わることができると思う。

2000年に、怪我や事故が重なって、手術もして、様々なことが一編にふりかかったんですが、その写真をやっていなかった時期に、アンリ・カルティエ・ブレッソンの写真展に行ったんです。そのときは彼が有名な写真家とは知らずに、ただ作品を見て、彼の写真に本能的に惹かれました。満身創痍で心身共に色々と辛い時に、エネルギーを与えられて、私ももう一回写真をやらなきゃいけないと使命感を得た。生きている限り、人間とのつながりは大切だし、人生も芸術も、「愛」が根底に流れていてこそ。
愛情を伝えたいですね。
自分が経験してきたものを反映させて、人々の人生に少しでも入り込むことができて、いい意味でその人の生活を豊かにできたり、いい影響を与えられたらいいと考えています。
写真は物として後生に残るし、例えばフランスに収蔵されている作品群などは、これから生まれてくる人も見るかもしれない。私が死んでも、1〜200年後にも見てくれる人が何か思ってくれて、その人に何かスパイス、夢や希望を与えられたら・・・。 という意味でも、まだまだ今後も続けていきたい。


大庭さんにとって、成功の秘訣とは?

成功を目指してきたわけではないです。利益だけだと遠くまではいけないと思います。自己中心にならないことが大事ですね。言うべきところはちゃんと言う必要はありますが、伝え方も重要。ただ自分のことだけ考えては成功できない。周りに感謝しながらやっていると、人から返ってくる。自分なりに作品は磨きつつ、仕事が与えられることに感謝しながらやっていて、本当に気に入って喜んでくれる人がいると嬉しいし。制作中は勿論ひとりで、かなり孤独な闘いですが、人との関わりのなかで、人の愛情の中で育っていくものですね



最後にメッセージをお願いします。

何をやったらいいか分からない時期、とにかく本屋さんに行くことをオススメします。私も、たまたま本屋さんで写真のコーナーに行ったら、できるかもと思って、それが最初のきっかけになったんです。
やりたいと思っていることを強くもっていると、寄り道、遠回りしてもいつか辿り着くものです。

人生の中で、一番合う所にいると、生きやすいし流れに乗っていけるものです。
落ち込むことは悪くないけれど、落ち込んだら、とことん落ち込んで、私の写真を見て元気になってもらって(笑)、それから動けばいいですよ。

好きな言葉のひとつに、パウロ・コエ−リョの「船は港にいるとき最も安全であるが、それは船が作られた目的ではない。」というのがあるんですが、もし皆さんが違う場所でやってみたいと思うのであれば、これまでのキャリアやタイミング、機会、準備などを大切にして、下見をしたり、何か本格的に一歩踏み出してみるのもいいかもしれないですね。